質の良い睡眠をするためにはどうしたら良いか。これは研究で分かっていて、身体か脳かで異なる。身体に関しては、無意識に寝返りがうてることが前提で、枕を自分に合ったものに変えることで改善されるが、脳に関して話をすると、よく眠れたとあまり眠れなかったというのはどこで決まるのか。それは、ベッドに入ってから寝るまでにどのくらいの時間がかかったか。もっと詳しく言うと、寝る姿勢になってからどのくらいで睡眠に入れるか。これを睡眠導入時間という。質の高い睡眠は、この睡眠導入時間が短いとされ、皆さんも経験されたことはないだろうか、布団に入ってすぐに記憶がなくなった時の睡眠は短くてもよく眠れたように感じる時、眠れずに布団でゴロゴロしてようやく眠れたと思った時の不十分さの違い。本来であれば、眠くなるまでは布団に入らないことが理想とされ、すぐに眠れるようになってから眠るほうが時間も使え、良い睡眠を得ることができる。昼寝に関して話をしておくと、昼寝の理想はどのくらいの時間が理想だと思いますか?それは15分です。眠いときに無理して起きているよりも15分の仮眠ではるかに仕事効率が上がるとされています。ただし、15分以上の睡眠は脳の活動が停止してしまうため、仕事の効率は低下することになる。身体のメカニズム的に理想のリズムは3時間ごとに15分の仮眠というのが理想とされている。睡眠には2種類あり、レム睡眠(夢を見る浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)に分けられる。人間はまず、ノンレム睡眠に入り一気に深い眠りとなり、約90分でレム睡眠へと移り変わる。徐々にこのサイクルが早く移り変わるようになり、目覚めやすいリズムから覚醒する。テスト勉強などでは徹夜よりは少し仮眠をしたほうが頭に入り、寝るにしても4時間30分で目覚めるのが理想である。ノンレム睡眠時に脳が休まり、レム睡眠時に直前まで行っていた作業を寝ている間に反復して記憶を定着させてくれることもあるため、あきらめて寝るほうが記憶定着や効率も良く、頭の回転力も上がるため、理想のテスト勉強となる。睡眠の効果として風邪を引いた場合もそうであるが、寝ることで身体を休めることは一番の治療薬とされている。実際風邪で医者から処方される薬は炎症を抑えるための薬であって治る薬ではないということ。風邪の種類も何千種類も存在し、特定することが難しいため、症状を軽くし生活しやすい薬を提供してくれているにすぎない。逆にウイルスなどの場合は、特効薬などが有効なため薬を飲む必要がある。風邪を引いた場合には、睡眠をたくさんとることで早期回復と自己治癒力の向上により早期改善が見込まれることとなる。ただし、風邪を引いた状態での長時間の睡眠には効果はあるが、普段の生活においての長時間の睡眠は身体には悪影響を与えることとなる。理想の睡眠時間は7時間とされているが、その時間を超えても短くても身体には悪影響とされている。ただし、個人差もあるので詳細は異なることが多いが、基本は7時間以上の睡眠は睡眠の質の低下と仕事効率の低下、身体のだるさなどが出てきてしまう。また、寿命も縮むという研究もあるくらい長時間の睡眠は身体に良くないとされるため、生活習慣の改善も考えながら睡眠時間や質を考えてもらえたらと思います。私の大学院での研究において自律神経と睡眠の関係を測定したことがある。そこでは、普段の睡眠の質と環境が異なる中での睡眠の質の差を考えるというものであった。キャンプ生活などをしている環境でもあったため、無人島での4日間の睡眠と短期間の生活をする環境とでの比較もし、アンケートも兼ねて測定をした結果は、身体としては休まるということはなかったが、感覚として日が経つとしっかりと眠れたという意見が多く集まった。短期間生活をしている宿舎では、徐々に身体も休まる傾向にあった。つまり、睡眠の質を高めるためには外部からの刺激を極力減らし、睡眠に集中する必要があるということ。音や光や風などといった刺激が睡眠の質を妨げる要素となるためである。しかし、中にはその刺激が心地よいものに変化をする、つまり、環境へ対応する力が働き不快であったものが感覚として不快ではなくなるという耐性が身につくことが証明された結果となった。それでも普段寝ている環境であっても音楽を聴いたり、扇風機をつけたりなどの刺激に影響し、睡眠の質を下げてしまうということもわかっている。良い睡眠をするためには睡眠に集中して寝ることが良い睡眠につながるということのため、なかなか睡眠が上手く取れない人はその環境を見直すことをお勧めします。